大切なペットのハムスターを葬儀・火葬したら心が救われた話
2023年5月2日、メモリィが逝ってしまいました。初めてのことで手探りだった中、幸運にも納得のいくお別れができたので、体験を書き残したいと思います。ショックの大きい写真の掲載を控え、いつもより文章を多めにお伝えします。
体重20g未満のジャンガリアンハムスターですから、土葬も候補にありました。しかし、家族で話し合い、ネットで調べる中で熱い思いを持って「ペットのおくりびと」をされている方を見つけ、メモリィを託そうと思いました。
ペットの葬儀屋さんが来ました
電話で連絡し、「いつ」行うかの相談をしました。当日の夜間も可能でしたが、翌日朝9時からにしました。その際、遺体の安置方法や一緒に火葬できるもののアドバイスをいただきました。身体ひとつで行かせる寂しさを感じていたので、色々持たせてあげられるのは嬉しかったです。
小さな頭陀袋(ずだぶくろ)を縫っておやつをつめてあげたり、家族写真を持たせたり、好きでかじっていたギターのかじり木を入れたり、メモリィを守ってくれるように龍神様を描いた絵も用意したり。家族なりにできる精一杯の準備をしました。
翌朝、おくりびとの神農(かんの)さんは、人間の葬儀社と分け隔て無いスーツのきちんとした格好でいらっしゃり、可愛い祭壇を組んでくださいました。別れの時間に涙声だった家族も、思わず「可愛い!」と漏らして空気が和みます。ここからは人間の葬儀の時と同じ様に末期の水をあげたり、お線香をあげたり…そうしてメモリィのいく先を思いながら行う行為の一つ一つが、ゆっくりと静かに別れに向き合う時間として過ごすことができました。
お願いする書類も、喪主(人間)の情報だけではなく、メモリィの名前、種類、体重、性別、生まれた日、亡くなった日…と、メモリィ自身について記載する項目があって、神農さんがメモリィという「個」をとても尊重してくれているということを感じられる内容でした。
終始、かけていただく言葉も丁寧で寄り添ってくださり、信頼して火葬のためにメモリィを預ける気持ちになりました。
こうして、初めて家族以外にメモリィを預けました。玄関でお別れし、遺体は、車で適切な場所に移動して、車内の装置で炊き上げてくるそうです。
40分後、メモリィが帰ってきました
メモリィのお骨を、実感を持って拾ってあげたかったので、「天空」というプランでお願いしました。博物館の展示品の骨格標本のように、とても綺麗な骨の状態で帰ってきました。
ゆっくりと時間をかけて、急かされることなく指の骨まで丁寧に拾わせていただきました。お骨を拾いながら、骨格の説明をしていただいたり、神農さんの経験上、内臓の燃え残りから予測されることなど、メモリィが最後に私たちに沢山のことを教えてくれていることを感じることができました。
四十九日まで
小さな骨壺に入ったメモリィ。けど、おくりびと神農さんは四十九日まで家にいたらあとは送り出してくださいねと仰います。私たちにとってかけがえのない存在なので、このまま手元に置いておきたいと話したのですが、神農さんがお話された内容に考えさせられました。
野生動物と違ってペットとして生きることを選んだ魂は、人になりたくて人の傍に生きることを選んでいます。小さな生き物は、その生を終えて天に還って、人を知っても人を目指すなら、またもう少し大きい生き物に生まれ変わって人と生きる時間を長くして…そうして、段々人に近づくんです。だから、手元に残してしまえば進めずここに留まってしまい、お互いに良くないんです…と。
遺骨の話のほか、骨壷の扱い、次のペットを迎えるかなど、疑問に一つ一つ丁寧に答えてくださり、心の持って行き方すらも導いていただいた時間でした。
約2時間半のお付き合いでしたが、突然メモリィが逝ってしまってから右往左往したり、ぼんやりと無気力に過ごしていた私たち家族に寄り添い、道筋を付けてくださった神農さん。
同じ事態に直面している人に、安心して任せられる素敵なおくりびともいることを伝えたくて、書かせていただきました。
「素敵なおくりびと」ってこういう人です!
ペットのおくりびと神農 栄人(カンノ エイト)さん。川崎市高津区で地域密着の動物葬祭をされています。かつて、親友の愛犬が亡くなり訪問ペット火葬に同席した際、残念な対応で快く弔うことができなかった経験から、「悲しみの渦中にある人を、さらに悲しませることは絶対にしない!」という強い信念でペットのおくりびとをされています。
サービスの質を維持するために、対応の範囲や件数に制限を設けられています。この記事を見てくださった方が、神農さんの対応範囲にお住まいではないかもしれませんが、悲しみが和らいで希望が持てる「やって良かった葬儀」や「素敵なおくりびと」ってこうなんだよ!というのを参考にしていただけたらと思い、最後にリンクを貼らせていただきます。