アクアメーション(水のペット葬)と火葬の違いは?訪問火葬のプロが解説
「火ではなく、水で還す」—— 皆さま、こんにちは。ペットのおみおくり天寿 代表の神農 栄人(かんの えいと)です。
先日、フューネラルビジネスフェア2026に行ってきました。
私はペットちゃんのお見送りを生業(なりわい)にしていますが、毎年この展示会に足を運んでいます。理由はひとつ。人間の葬儀の世界をしっかり学び、その中からペットちゃんのお見送りに活かせるものを持ち帰るためです。
ご家族にとって、人の葬儀もペットの葬儀も、「大切な存在を送る」という意味では何ひとつ変わりません。だからこそ、人の世界で長年培われてきた知恵や技術には、いつも多くのヒントが詰まっています。
今日は、その展示会で一番心に残った”あるもの”について、そして皆さまが一番気になるであろう**「従来の火葬と何が違うの?」**という点を、現場の人間の目線で書きたいと思います。
フューネラルビジネスフェアとは?
フューネラルビジネスフェアは、綜合ユニコム株式会社が主催する、葬祭・終活業界向けの専門展示会です。
全国の葬儀社、石材店、仏壇仏具メーカー、そして供養に関わるあらゆる企業が一堂に会し、最新の商品・サービスや、これからの供養のかたちを発信する場になっています。
その中の一角には、実はペットちゃんの葬儀・供養に関する展示もあるんです。ペット供養が、いかに社会の中で大きなテーマになってきているか——それを毎年、肌で感じます。
今年、一番の注目は「水のお見送り」だった
数ある展示の中で、今年ひときわ注目を集めていたもの。
それが、株式会社MIROKU(ミロク)さんが発表された——**アクアメーション装置「MOTHER(マザー)」**です。
「MOTHER」という名前には、生命が母なる海から生まれ、水に還っていく——そんな想いが込められているそうです。展示ブースのコンセプト画像もとても優しい雰囲気で、開発に込められた想いが伝わってきました。
そもそも「アクアメーション」って何?
アクアメーションとは、火を使わず、水(アルカリ性の温水)でご遺体をお見送りする方法です。正式には「アルカリ加水分解葬」と呼ばれます。
専用の装置の中で、水とアルカリ性の溶液を温め、時間をかけて穏やかにご遺体を自然の成分へと還していきます。処理の後には、お骨がきちんと残ります。
火葬との違いを比べてみました
「で、結局、火葬と何が違うの?」——ここが一番気になるところだと思います。現時点で公開されている情報をもとに、訪問火葬の現場に立つ立場から整理してみました。
| 項目 | 従来の火葬 | アクアメーション |
|---|---|---|
| お見送りの方法 | 火で焼骨します | アルカリ性の温水で穏やかに分解します |
| 煙・臭い | 設備により配慮されています | 煙が出ないとされています |
| お骨 | 残ります | 残ります(火葬より約2割多く残るとも言われます) |
| 環境への負荷 | CO2が発生します | CO2排出を約90%削減できるとされています |
| 日本での歩み | 主流の方法です | 始まったばかりの新しい選択肢です |
| 受けられる場所 | 全国で受けられます | 現時点ではごく限られています |
こうして並べると、それぞれに特徴があることが分かります。大切なのは「どちらが上か」ではなく、ご家族が納得できるお見送りを選べることだと私は思います。
世界では、すでに歴史のある方法です
「遺体を水で分解する」と聞くと、まったく新しい技術のように感じるかもしれません。でも実は、意外と歴史があるんです。
- 1888年:イギリスで基礎となる技術が生まれる
- 1993年:アメリカで医学分野への活用が始まる
- 2011年頃〜:アメリカで葬送の方法として広がり始める
- 2021年:ノーベル平和賞受賞者のデズモンド・ツツ大主教が、ご自身のお見送りにこの方法を選ばれたことで世界的に知られる
ペットの葬送としては、アメリカやカナダで広く認められています。
日本では、これから
日本の火葬率は99.9%以上。世界でも類を見ない「火葬の国」です。
その日本で、MOTHERは日本初のペット用アクアメーション装置として、2026年3月に販売が開始されました。まさに「これから」の技術です。
よくあるご質問
Q. アクアメーションでもお骨は残りますか? A. はい、残ります。火葬と同じように、お骨をご家族の元へお返しできる方法です。
Q. 日本で受けられますか? A. 装置の販売が2026年3月に始まったばかりのため、対応している事業者は現時点ではごく限られています。今後少しずつ広がっていく可能性があります。
Q. 費用はどのくらいですか? A. 国内ではまだ事例が少なく、「相場」と呼べるものがありません。ご検討の際は、対応事業者へ直接ご確認ください。
Q. 天寿でアクアメーションはお願いできますか? A. 現在、天寿では火葬によるお見送りのみを承っております。ただ、新しい選択肢として業界の動きをしっかり見守り、皆さまに正確な情報をお届けしていきます。
火葬の現場に立つ私が、いま思うこと
正直にお伝えすると、私は火葬を大切にしてきた人間です。火葬は、重い体を脱ぎ捨てて虹の橋へ駆け出すための「旅立ちの準備」——そう信じて、一件一件、心を込めてお手伝いしてきました。
だから「これからは水の時代です」と言うつもりは、まったくありません。
ただ、確かなことがひとつあります。それは、「送り方をご家族が選べる時代」が近づいているということです。
火で送るか、水で送るか。どちらが正しいということではなく、ご家族が「この子らしいお見送りができた」と思えることが、何より大切だと思うのです。
アクアメーションに興味を持たれた方は、ぜひ株式会社MIROKUさんへ直接お問い合わせのうえ、ご自身の目で確かめてみてください。また、「現場の人間として実際どう思う?」という私の率直な感想を聞いてみたい方は、どうぞお気軽にご連絡ください。
大切なご家族のお見送りについて、後悔のない選択ができますように。
ペットのおみおくり天寿
神奈川県川崎市を拠点に、東京都・神奈川県で訪問火葬・ペット葬儀を承っています。 個別火葬のみ・1日3件まで。心を込めてお手伝いいたします。




